トヨタもユニクロも無名だった。
知られなければ企業は成長しない。
「広告なんて使わなくても、うちはやっていける」。そのように答える経営者は多いです。確かに間違いではありません。一番いいのは広告にお金をかけずとも、自分たちの商品やサービスの売上を上げたり、お客様の集客したりすることです。しかし、世の中すべてがそんな会社やお店ばかりではありません。広告を一切出さずに結果を出しているのは、すでに圧倒的なブランドを確立しているところや、大きな需要のある差別化された商品を扱 っているところ。そんなところは決して多くありません。トヨタやユニクロ、スターバックスだって最初は無名だったのです。広告を一切出さずしてユニクロが今のポジションを獲得できたか。少なくとも、一切広告を出さずに今の規模に会社を成長させるなら相当の時間がかかったでしょう。
正しい価値を伝えるという機能。
広告は商品の認知度を高め、売上アップや集客をもたらしますが、もう一つ大きな意味があります。それは企業のブランドイメージを確立できることです。スターバックスなら自宅や職場以外の居心地のいい場所である「サードプレイスの提供」をメッセージに込め、ニトリであれば安いのに質がいいという点を「お、ねだん以上」というメッセージに込めています。広告は企業が社会に浸透させたい商品やサービスの価値やブランドイメージを正しく伝える機能を持つのです。その機能が私たちの頭に刷り込まれるから、「なんかくつろぎたいな」と考えた時に、ドトールよりもスターバックスを選ぶのです。単純に売上や集客を上げたいから広告を利用するのは間違ってはいないですが、場当たり的につくってしまっては自社商品の正しい価値を伝えることはできません。下手に全国に広まった場合、会社が本来伝えたいメッセージが伝わらず経営に大きな影響を与えてしまうこともあります。
バズれば想定以上の効果を生む。
広告を出す前に、ブランドイメージが毀損しないかを考えることも大事です。うまく価値を伝えることができたなら、広告は想像以上の効果を発揮するでしょう。本来、4 や5 程度の力しかない商品でも、場合によっては6 や7、バズれば9 や10 の力を持ってして消費者に伝わることもあります。「広告で話題になっているカレー屋に行ったが、味は普通だった」。そんな経験をされた方もいると多いと思いますが、それはまさに広告が威力を発揮した証拠です。ただ、注意して欲しいのは広告の力に頼らないこと。一番大事なのは言うまでもなく、商品やサービスに価値があることです。