世に出る広告は言語化されている。
広告は芸術作品ではない。
この記事をお読みの方の中には、これから自分で広告をつくろうとしている方もいれば、誰かに依頼されてつくろうとしている方もいると思います。ターゲット設定やコンセプト設計など、広告づくりの基本的なことを理解していれば効果の出る広告をつくることは可能です。広告が完成した時に大事なのは、企画意図をしっかりと言語化できるかです。なぜそのターゲットなのか?なぜそのコンセプトなのか?なぜその表現なのか?それらを自分自身や第三者に対して論理的に説明できれば効果を期待できます。なんとなくかっこいいからなど、漠然としたものであれば、効果も漠然としたものになるでしょう。コピーの内容、フォント、色合い、画像、レイアウト…。すべてに意味があり、論理的な説明が可能なはずです。ただ直感で制作したのであれば、それは広告ではなく、芸術作品となります。
正しい価値を正しく伝える。
言語化できるということは、誰かに広告の意図を説明する時に不可欠です。あなたが広告会社に広告制作を依頼したクライアントだとします。広告会社の営業が完成した広告を持 ってきて「スタイリッシュな感じにしました!」と、ただそれだけを言われたらどう思いますか?中には鵜呑みにする人もいるかもしれませんが非常に危険です。なぜスタイリッシュにしたのか。その意図を聞いて効果につながると確信できなければ、広告を出稿する意味がありません。せっかくいい広告ができたのに言語化できなかったばかりに、ボツになってしまうケースや、効果の出ない第二、第三候補の案が採用されるというケースもあります。本来なら当初の案が商品やサービスの魅力を最大に伝えられる広告だったにも関わらず、うまく言語化できなかったためにボツになるのは、制作者にとってもクライアントにとっても大きな損失です。別案をつくるために余計な労力、時間、コストをかけることになってしまいます。
磨くべきプレゼン能力。
制作に必要なスキルは企画力、コピー力、デザイン力と思われがちですが、加えてもう一つ大事なのがプレゼン力です。言語化してプレゼンすることができれば、最後の局面ですべてひっくり返るというリスクを減らすことができます。街で「よくこんな広告OKしたな」というインパクトのある広告を見かけることがあると思いますが、そこには広告の意図をしっかりと企業に伝えた制作者がいます。一流のクリエイターと呼ばれる人たちの多くは、一流のプレゼンターでもあるのです。