表現は自由だ。
すべてのクオリティを決定づける工程。
「クリエイティブな広告」という言葉をよく聞くと思いますが、そのクリエイティブが表現手法を指します。例えば、若い女性がターゲットの商品であれば楽しくポップなイメージ、年配の男性がターゲットの固めの商品であればまじめで落ち着いたイメージ。そのイメージに沿って、デザインやコピーをどう表現していくかを考えるのです。広告をつくる人にとっては、この工程が一番楽しいという人もいます。表現手法が決まれば広告の完成形がある程度イメージできるからです。どんな表現にするかで、ターゲットの興味の度合いが変わるので、この工程も事前に市場調査をおこなうことが重要です。かわいく明るくポップな印象の広告にしようと考えても、そんな広告は世の中にたくさんあふれています。ただ、単純にポップな広告をつくるだけでは埋もれてしまう可能性があるからです。
強く印象に残る表現手法に昇華させる。
「かわいいポップな広告」と「かわいいけれど、ちょっとダークな世界観のある広告」。この二つであれば、どちらが強く印象に残りそうですか?前者は街でよく見かけることが多いと思いますが、後者の広告はおそらくあまり見ないのではないでしょうか。正解があるわけではないのですが、まわりを見まわした時に、他とは違う差別化された表現手法を選ぶのは有効です。また、若い女性がターゲットの商品であればポップな広告が多いですが、逆をついてまじめで固い印象の表現をするという戦略もあります。赤やピンクを多用した明るくポップな広告の中に、青や黒を多用した落ち着いた広告があれば印象に残るからです。自分たちが宣伝したい商品の広告にはどんなものがあるのか。まずは傾向を把握することです。
ティムバートンが貞子に変わる。
ポップやスタイリッシュという表現はあくまで一例。「ティムバートン監督の映画のようにダークな」「グラフや図式を多用した学術書のような」「文字だけを置いた究極にシンプルな」といった具合に深堀すればいくらでも出てきます。具体的な表現手法がイメージできれば、その後の工程であるコピーライティングやデザインもスムーズに進むことになります。本当はティムバートンのような世界観が頭にあるのに、「ダークな世界観でデザインして」とデザイナーにざっくりと伝えたことにより、ティムバートンの世界観ではなく、貞子が出てくるホラー映画のようなデザインができあがってしまうこともあります。頭の中にある表現手法を、しっかりと言葉に置き換える作業、つまり具体的なイメージが不可欠です。
広告出典元
https://www.pinterest.jp/masumishina/%E9%87%8E%E7%94%B0%E5%87%AA/