効果か?自己満足か?
客観的な視点で情報を羅列していく。
広告をつくる際に不可欠なのは、できるだけ具体的な情報を入れることです。もし、あなたがこれから広告を出すことを考えているのであれば、自分たちの商品やサービスの特徴や強みは何なのか。客観的に分析しながら、洗いざらい情報を羅列していきます。主観的になってはいけません。あなたがカフェオーナーだとして、コーヒーのドリップにはかなりの自信があるとします。そのコーヒーづくりにかける情熱を広告で表現したいと考えるかもしれませんが、広告を見るターゲットはそんな情熱を求めていないかもしれません。ターゲットは駅から近くて安いカフェを探しているのに、情熱を語ってもミスマッチとなります。あなたがクライアントから依頼を受けて広告をつくる場合はヒアリングが極めて重要です。
気付いていない価値を引き出す技術。
ヒアリングした内容で広告の精度は大きく変わります。クライアントによって大事な商品やサービスの価値を正しく伝えきれない人も多いです。先ほどのコーヒーの例で言えば、ドリップの上手さだけでなく、駅から近く、価格も安いのに、そこにはあまり意識を向けていないパターンです。そこを指摘すると「確かにそこも魅力だな」と気づくことになります。優秀なクリエイターというのは、そのヒアリング能力が非常に高いです。クライアントが気付いていなかった商品やサービスの価値を次々と引き出していくのです。ヒアリングは取材時におこなうのですが、クライアントには様々な人がいます。やたら未来のビジョンを語る人、口下手でほとんどしゃべらない人、話がすぐに脱線してしまう人。こちらの意図を組んで情報を提供してくれる人ばかりではありません。
効果を出すために対価をもらっている。
ただ、待っていても有益な情報を引き出させそうにない場合は、こちらから質問します。「このカフェは駅から近いですよね?」といった具合にです。誘導尋問にならないように、うまく会話の流れを読みながら適切なタイミングで質問していきます。情熱を語り過ぎるクライアントに対しては、一度客観的な視点に立ってもらうことをアドバイスするのがいいでしょう。「学生が多いので価格の安さをアピールしたらどうでしょう?」といった違う視点での価値があることを伝えるのです。クライアントはほとんどが広告の素人です。高いお金を払ってもらうのに、広告効果を無視してクライアントの自己満足に終わるような広告をつくるのは問題があります。効果の出る広告をつくって欲しいのか。自己満足で終わる広告をつくって欲しいのか。おそらく大半が前者でしょう。