美しさより強度。ポスター印刷最前線【寄稿コラム】
アナログな広告媒体としては、かなりメジャーなポスター。
現在の商店においては、店頭に何らかのポスターが貼っていないという店はないというくらいに一般化されている広告媒体ですよね。
ものとしては、かなり大きなものから、レジにちょんと貼っておけるようなサイズまで色々。
値段もそんなに高いわけではないこともあって、使い勝手においてもなかなかに便利な代物です。
そんなポスター印刷、お店に注文するときに、一体何を基準に注文しますか?
まずもちろんのこと値段ですよね。
そして次に考えることと言えば、そう、美しさです。
しかし実は、現代のポスター印刷において、この美しさというものがそんなに重要なファクトでなくなっているのを知っていましたか。
私も今回調べてみてわかったのですが、今回はポスター印刷のそんな最前線にスポットを当てたいと思います。
●美しさは当たり前の世の中。
美しさが最重要なファクトではなくなった。
と、言っても、それは、別に美しくないポスター印刷でもいいじゃないか。というわけではありませんし、そんなわけはありません。
広告媒体として、人の目に触れて販促効果を期待するポスターのその完成品が美しくなくていいわけがないのです。
ではどういうことか。
それは、今やポスター印刷においてポスターを美しく仕上げるなんてことは当たり前にできてしまう世の中なんですね。
かつては、粗悪なインクや粗悪な印刷機のせいで、場所によっては美しさの優劣があったでしょう。
しかし、今やそんな粗悪なインクや粗悪な機械を使っているところなんかほとんどありませんし、画像技術の進歩もあって、だいたいどこに頼んでもそれなりに美しい仕上がりになります。
専門家が近くに寄って目を凝らして初めて、ちょっとした違いが分かるというレベルで、一般人にはほとんどわからない違いしか生まれてきません。
そう言われて街を歩いてみれば、明らかに手作り感漂う素人製作のものは除外するとして、ほとんどのポスターが、みな一様に美しく仕上がっているのが分かると思います。
それこそ、素人製作のものでも、なんかプロッぽい感じのきれいなものさえありますよね。
そう、今や、ポスターは美しくて当たり前、それはポスター印刷の良しあしを測るものではないのです。
●では値段かと言うと、そうでもないのは世の常。
では、ポスター印刷の制作を依頼するときに最重要ファクトは値段か、と言うとこれも違います。
というか、これは別にポスター印刷に関わることだけではなく、この世に存在する大抵の商品や製品は値段が最重要ファクトではないですよね。
そりゃね、ポスター印刷に関しても『激安』や『格安』をうたう業者はあります。
しかも、先ほど述べたように印刷技術は向上していますから、よっぽど悪徳業者でもない限りものすごく美しく仕上がってきます。
見た目も美しく、しかも安い。うん、言うことなし。
というわけにはいかないから、値段が最重要のファクトではないと言っているわけです。
実は、と言うか商売においてはよくあることなので、よくある話なのですがと言った方がいいと思いますが、いわゆるこういうのは格安プランを選んだ場合という但し書きがつくのがほとんどです。
つまり、サイズはこれ、用紙はこれ、そのあとにオプションをつけたり用紙変更したり、もう一つ大きなサイズにしたい場合は後付けで色々値段がつくあれです。
しかも、たいていこういうのは、一番必要とするサイズではないサイズで設定してあったりするのが常です。
もちろん、格安印刷で良心的な仕事をしているところはあります。
しかしそうでないところも、やはり同じく存在するので、格安であることにひかれてポスター印刷を選んではいけないということですね。
いいところを選んで、結果そこが安かった。
こっちの方が幸せではありませんか。
●じゃあ、何が重要か。
ポスター印刷を頼む場合、今や美しさが最重要ではない。
値段でもない。
こうなってくると、では、何を最重要のファクトっとしてとらえてポスター印刷を選べばいいのかという話になるのでが、正解は……値段です。
おいおいおい、言っていることがめちゃくちゃだぞ。と思われたあなた、正解です。
しかし、私がここで言っている値段と言うのは、注文して届けられたときに払う値段、いわゆる一次コストではなく、その後の維持費、つまり二次コストの話です。
と、ここまで書いても、まだ頭の上にはてなマークが付いている人がいるかもしれません。
それも無理はありません、なんせ相手はポスターです。
当然機械ではありませんので、メンテナンスや修理をするコストがかかるわけはありませんし、生き物でもないのですから餌代もいらないでしょう。
しかし、ここで言っている二次コストとは、破損してとりかえるコスト。
つまりポスター印刷を経て出来上がったポスターの耐久度の話をしているわけです。
この耐久度とは、もちろん印刷面の画像の耐久度もありますが、用紙の耐久度も含みます。簡単にいえばいつまでもきれいで破れないポスターであればあるほどいいということです。
そう、現代のポスター印刷における最重要ファクトとは、この『耐久度』なのです。
●長く使える、きれいなままで。
皆さんも見たことがあると思います。
風雨にさらされ色あせたポスターや、あちこち穴があいたり破れたりして、見るも無残な姿になったポスターを。
気のきいた企業や商店なら、そうなる前に取り換えてしまうのですが、それでは当然コストがかかります。
とはいえ、それをそのままにしていたら、はっきり言って販促効果的には逆効果。色あせてところどころ破れている商品のポスターなんて、むしろない方が売れるレベルの代物です。
しかしもし、破れにくく色あせにくいポスターがあればどうでしょう。
当然取り換えのコストも手間も省けますし、いつまでも長い間、販促効果を持ったポスターでい続けてくれるわけですから、これは大助かりです。
だいたいどこに頼んでもほぼ変わらないくらいに美しく印刷できる現在において、ポスター印刷を頼むときの最重要ファクターがここにあることはこれでわかっていただけたと思います。
それではここで、ポスター印刷における耐久度の最前線を見てみましょう。
●紙だけど紙じゃない
ポスターが破れやすい原因は何かと言われれば、これは簡単にわかると思います。
それは、紙だからです。
ポスターが鉄板でできていたり、看板のようにプラスチック板でできていたりすれば、破れることはありませんよね、もちろんそんなポスター使いにくくってしょうがないですが。
とにかく、ポスターは紙だから破れやすいのです。雨にぬれればふやけますし、ふやけなくても子供でも破けます。
しかし実は、今、ぬれてもふやけず、大人が頑張っても破けない紙があるのです。
いや、厳密には紙ではないのですが、これは一般に合成紙と言われていて、ポリプロピレン製のものです。わかりやすく言えば、紙のように薄くしたプラスチックのようなものだと思っていただければ正解です。
これは当然プラスチックですから、雨にぬれてもふやけません。
しかもその強度は相当なもので、大人が全力で引きちぎろうとしてもなかなかに引きちぎれるものでもありません。
しかも、紙のように軽く、曲げ伸ばしできる。
さらにこの合成紙の上からラミネート加工をすれば、もう、あなたの頭の中にあるポスターとは異次元の、耐久性と強度を持ったポスターが出来上がりです。
しかもこれ落書きにも強くて、水性ペンくらいなら拭けば結構おちるんですよ。
もちろん、ここまでいいことづくめだと紙に印刷するだけよりコストはかかりますが、耐久度を考えれば相対的なコスパはこっちの方が上と言ってもいいくらい。
ポスター印刷の世界は、こんなにも進化しているんですね。
●まとめ
いかがでしたか、ポスター印刷最前線。
特に大判のポスターなんかは、耐久度が重要になる度合いも大きいですから、合成紙の威力はかなりのものですよね。
もしかするとそのうち、紙に印刷したポスターは、もう街では見られなくなるかもしれません。
どうしてもポスターに落書きをしたい悪ガキを除けば、本当にいいことづくめの進化を遂げていると言っても過言ではありませんよね。